四万十町にある焼き肉店「満州軒」の看板メニュー「ジャン麺」。美味しいもの好きの方なら耳にしたことがあるのではないでしょうか。そのジャン麺専門店として2015年にオープンしたのが、城見町の「まんしゅう」です。

当初は「満州軒」の2号店としてオープンし、2018年からは店長だった谷渕さんが本家からのれん分けされて独立しました。

もともとは、ＩＴ関係の営業として働いており、飲食業界と無縁の世界にいた谷渕さんですが、本家「満州軒」に勤める仲の良い先輩から、当時計画中だった高知店の店長として働くことを打診されたのだそうです。

当時のことを「経験がない業界だったので、正直不安はありました。未経験者にお店を任せるっていうこと自体にも驚きましたしね。」と笑いながら振り返る谷渕さん。「でも、これまでやっていた営業も接客業だと思うと、面白そうだと思ったんです。オープンする前に満州軒で研修を受けた際、お客様と接することが自分は好きだと改めて気づかされました。自分が作ったジャン麺をお客様が美味しそうに食べてくださることがたまらなく嬉しかったんです。」とのこと。実は飲食業は谷渕さんにとって天職だったのではとの印象を受けました。

谷渕さんが心掛けていることのひとつは、「満州軒のジャン麺」を大切にすることだそうです。お客様のなかには四万十町の味を楽しみに来店される方もいるからです。のれん分けして独立したとはいえ、本家の味から離れることはその期待を裏切ることにつながることになると考え、看板メニューの「ジャンメン」は「満州軒」の味をそのままに再現しています。

「満州軒」から提供を受けている特性スープと四万十町産のニラと卵がたっぷりと入ったとろみのあるスープは、細麺とよく絡み、食べ進めるとスープに染み出たホルモンのうま味が口のなかに広がります。とんこつ、醤油、味噌など様々なジャンルのラーメンがありますが、「ジャンメン」はそのどれにも属さず、もはや「ジャンメン」というひとつのカテゴリーといっても過言ではありません。また、ジャン麺のコンセプトは「ご飯に合うラーメン」です。追加でご飯を頼み、スープとともに食べるのもおすすめです。「ジャンメン」では、女性の方にも追加のご飯まで楽しんでほしいとの思いから、麺が半分の「ジャンメンハーフ」も提供しています。ぜひ追加のご飯までチャレンジしていただきたいと思います。

一方で、「満州軒のジャン麺」を基本に「まんしゅう」オリジナルのメニューも開発しています。カレー風味の「カレージャンメン」や細麺をうどんに変えた「ジャンうどん」、夜限定の「カルビジャンメン」や「カツジャンメン」などです。特に、本家での提供当初はジャン麺にはホルモンではなくカルビを使用していたと言い、それを復刻して「カルビジャンメン」として提供しているのは高知市の「まんしゅう」だけです。ホルモンとは違った肉のうま味が感じられ、普段とは一味違うジャン麺に出会えること間違いなしです。

ラーメン店では珍しく座敷の席があり、家族連れで賑わうお店では、窪川産のしょうがを沢山使用した国産若鳥の唐揚げもカリっとジューシーでおすすめです。

また、夜の営業では、もつ鍋も提供しており、ホルモンだけでなくせせりも入ったもつ鍋はお持ち帰りも可能で、人気メニューのひとつだそうです。焼き鳥などで人気の部位でもあるせせりが入ったもつ鍋は珍しく、ホルモンだけでない肉のうま味も感じられるお鍋もぜひお楽しみください。

昨年12月から蔦屋書店に2号店もオープンし、ファンが確実に増えている「まんしゅう」のジャンメン。やみつきになる味をぜひお楽しみください。