お客様と一生 お付き合いできる会社に
isshu( 株式会社一秀)昨今結婚式を挙げない若者が増えているなか、ブライダル業界は新たなかじ取りが求められています。高知県のブライダル業界の草分け的存在として長年事業を行ってきた貸衣装店isshu(いっしゅう)の横畠社長にお話を伺いました。
ロケの様子
独自の衣装を
最初は美容師になるつもりで就職した横畠さんでしたが、当時勤めていた美容室の貸衣装部門を担当するうちに、組み合わせやアレンジでセンスを発揮でき、お客様の一生に一度の晴れ舞台を輝かせることができる衣装の魅力に引き込まれました。そして、貸衣装部門を引き受ける形で、昭和63年に会社を設立しました。 設立当初は、国内の結婚式専用のドレスメーカーが少ないため、メーカーの取り合いになることが多く、取引先を確保するのに苦労していました。そんななか、アパレル業界やドレスメーカーが、インポートものと言われる外国製の商品を取り扱うようになりました。 横畠さんが着目したのが外国製の衣装でした。日本の衣装は「貸す」ことを前提として、何回も使えるように耐久性に優れた生地を用いて一般受けするデザイン、色彩を使います。一方貸衣装の文化がない海外の衣装は、生地やデザインが画一的でなく自由で斬新です。横畠さんは、高額でもisshu の衣装を着たいという特別感を抱いてくれるお客様を作ろうと考え、外国製の衣装の取扱いを始めました。そして、ネクタイや靴はもちろんのこと、シャツやカフスボタンにいたるまで一つひとつの衣装に合ったものを用意するなど、他の店とは異なる魅力を会社の強みと考え事業を進めました。
男性の衣装は県内で一番豊富に取り揃えているそうです。
ブライダル業界の先駆けとして
創業当時、貸衣装店は結婚式場と提携するのが主流でした。しかし当社はそのような提携はしていなかったため、自社独自でお客様を掘り起こすことが必要でした。そこで横畠さんが考えたのが、結婚前のカップルを招いてのブライダルショーでした。衣装を身に着けたモデルが舞台を歩く、いわゆるファッションショーです。イベントの開催は若いカップルの心をつかみ、多い時には日に2回、200名を超える来場者があるなど盛況を博しました。ショーは平成10年から10年間ほど続きました。 また、それまで屋内のスタジオで行われていた新郎新婦の前撮りに代わって、海辺や植物園などの屋外で行う「ロケ」と呼ばれる手法もいち早く取り入れました。ロケ撮影を行うことにより、スタジオ写真では出せない躍動感や新郎新婦の豊かな表情を引き出すことができ、お客様から大変好評でした。写真スタジオをオープンする前に、ロケバスを購入したことからも、いかに取り組みが早かったのかが分かります。
お客様と一生の繋がりを
近年ブライダル業界は大きな社会的変化にさらされています。時代を先取りし続けてきた横畠さんも、「人口減少に伴い披露宴の開催回数が減ることはある程度予想はできていたものの、結婚式を挙げようと考える若者が少なくなったことは想定外だった」とのこと。また結婚式を挙げたとしても、衣装の使用点数は10年前の半分になっています。明らかな嗜好の変化を感じている横畠さんは、新たな取り組みが必要だと考えています。「これからはブライダルだけで生き残っていくことは難しいと思います。しかし当社には今までに培ってきた写真の技術と機材があります。ブライダル業を改めて整理してみると、新たな絆やご縁、節目の瞬間を際立たせるお手伝いであり、私たちはご結婚だけなく、その後のご出産や家族の行事などを彩るお手伝いができると感じています。今後は、写真撮影も事業の大きな柱として取り組んでいきたいです。結婚式を通じてお客様と出会い、生涯にわたって当社をご利用いただけるようなサービスを提供したいと考えています。」 昨年末から新しい試みとして、家族と一緒に卒業、入学の写真を撮影するイベントを始めました。さらに今後は、マタニティ撮影、お子様の名つけや誕生日、お宮参りや七五三、成人式などのイベントの写真撮影を実施する予定です。 これまで斬新なアイデアで業界の常識を覆してきた同社の新たな挑戦が始まろうとしています。
会社情報
社名 | isshu( 株式会社一秀) |
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住所 | 高知市南はりまや町2 丁目6-4 |