笑顔がつなぐ手作業の味
ココフーズ (つなぐページ(株)ココフーズ事業部)オレンジが目印
ご縁で始めたやきとり屋さん
代表取締役の松本さんに創業の経緯をお伺いすると意外な答えが返ってきました。「実は、起業する気はなかったのですが、ある方とのご縁をいただいたことをきっかけに、気がつけば、会社の社長になってしまいました。正直、そんな気持ちです。」 以前は鶏肉の加工卸業社に勤めていた松本さん。当時担当していた取引先のスーパーの、その店先で焼き鳥店を営んでいた店主が、松本さんの運命を変えた人物でした。 ある日、松本さんはその店主から、「高齢のため、店を譲る相手を探してもらえないか」と相談をされました。松本さん自身も、その味を高く評価していたこともあり、「引き継ぎ手が見つからないと、地元で愛された味がなくなってしまう」と危惧しました。しかし、なかなか承継先が見つからず、結局、松本さんが勤務している時間は知り合いに頼み、勤務が終わったら自分がお店を運営することにしました。 店を引き受けた当初は、自分で1本1本串を打っていましたが、手間を考えると串打ちされた鶏肉を仕入れて販売した方が効率的だと判断しました。鶏肉卸に従事していたこともあって、材料調達やコスト計算は容易でした。 売上は順調に伸びていき、松本さんは独立を果たしました。そして、お客様と直接話をしながら商品を販売する楽しさを感じ始めた頃、松本さんに新たな話が舞い込みました。仕入先であった串打ち専門業者が、これまた経営者の高齢を理由に、廃業するか、事業譲渡するかを悩んでいるというのです。もし、この業者が廃業すれば、自分だけでなく、自分を雇い育ててくれた鶏肉加工卸業社にも影響が出ます。松本さんは、「この話が自分のもとへ舞い込んだのも何かのご縁」と思い、会社を引き継ぐことを決心したそうです。 「ご縁というと格好よく聞こえますが、行き当たりばったりで、気がついたら会社を経営するようになったというだけですよ。」 笑いながら謙遜する様子からは、人柄の良さがうかがえ、だからこそ周りの方から相談が舞い込むのだろうと感じました。
手作業で焼き上げる
大量生産よりも手作業で自社の味を大切に
ココフーズでは機械による大量生産ではなく、手作業で焼き鳥や唐揚げを製造販売しています。鶏肉の串打ちは、経験を重ねると1時間で200~300本作れるようになりますが、初心者は50本できれば筋が良いと言われるそうです。串うち専用の機械もあるそうですが、串打ち用の鶏肉は、一つひとつが同じ形をしておらず、専用機をもってしても位置決めの微調整ができないため、人手による串打ちには敵わないそうです。また、打ち終わった串を焼く機械もありますが、ココフーズでは焼き上げも手作業にこだわっています。機械の焼き上げもまた、微調整が難しいことから、やはり、人の手によって炭火で焼かれた香ばしさが出にくいのだそうです。実際に、できたてのやきとりを口に入れると、炭火の香ばしい香りが鼻に抜け、肉は程よい弾力で、噛みごたえがありながらもふわっとジューシーな味わいです。自社製造のたれはお客様にも大変好評で、自宅用にと直接買い求められる方もいるそうです。独自のたれを門外不出にせず、欲しいとおっしゃる方には販売するところからも、社長のお人柄がうかがえます。同社では、はちきん地鶏の販売にも力を入れており、カリっとした食感とうま味を含んだ肉汁が口の中に広がる唐揚げは、大変な人気商品となっています。普段は市内のスーパーを回って店内で販売していますが、大津工場でも直接販売をしています。日々の出店情報はHP上に掲載されていますので、ぜひご確認ください。なお、事前予約が必要となりますが、チキンオードブルも販売しているので、だんだん暖かくなるこれからの季節の行楽のお供におすすめです。松本さんがスーパーでの試食販売を大切にしているのは、創業時に自身が感じた面白さと、商品力に対する自信を背景に、「試食して購入されるお客様の喜ぶ笑顔が、スタッフの次への原動力となる」と確信しているからだと推察しました。スーパーで見かけたら、絶妙の食感と味をぜひお試しください
会社情報
社名 | ココフーズ (つなぐページ(株)ココフーズ事業部) |
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住所 | 高知市大津乙1805-3 |
代表 | 松本隆 |