高知発!完全無添加ペットフード
ドッグズライフ犬や猫を飼っている方に「貴方にとって犬や猫はどんな存在ですか」と質問すると、大半の方が「家族です」と答えるのではないでしょうか。犬や猫を、生活を共にする家族、または伴侶としてとらえる考え方はずいぶんと一般的になってきました。
高知市高埇に店舗を構える「ドッグズライフ」は、愛犬・愛猫の健康をとことん考えたペットフードを販売しています。代表の松川さんに事業にかける思いをうかがいました。
きっかけは「トラ」と「まる」との出会い
お店で出迎えてくれたのは、柴犬のトラとミックス犬まる。一切吠えることがなく、とても穏やかな様子から、よく躾られていることが分かります。
松川さんは事業を立ち上げる前はコープ自然派の理事や有機JASの判定委員を務めており、食の安全については深い知識がありました。我が子のように可愛いトラとまるに出会ってからは、犬の食べ物にも強い関心を持つようになりました。
市場には、国産、外国産問わず数えきれないほどのドッグフードが出回っていますが、松川さんはドックフードに含まれている原材料を調べていくうちに安全性に疑問を抱くようになりました。どんなに長生きをしたとしても、犬の寿命は人間よりもはるかに短く、大型犬を除いた一般的な犬の体重はせいぜい5、6キロです。小さな体に食べ物が及ぼす影響はいかばかりかと考えるにつけ、松川さんの中に「本当に安全なフードをこの子たちに食べさせたい」という切なる思いが湧き上がってきたのです。そこで100%安全で安心できるフードは自分で作るしかないと一念発起し、平成25年に起業しました。
鹿肉ジャーキー 店頭のほか、県内のペットショップ、インターネットで購入できる
100%高知産の原材料を使用
高知県では、鹿による農林業の被害が深刻な問題となっています。松川さんは香美市に加工場をかまえ、駆除された鹿肉を使って、鹿肉ジャーキーの製造を始めました。鹿肉は高たんぱく・低カロリーで鉄やビタミンB2が多く含まれていることから、犬には最適の肉だと言われています。また、牛や豚、鶏などの家畜と違い、草や木の実などの自然のものを食べていることから、脂肪が少ない上に栄養価が高く消化に良いタンパク質です。
鹿肉ジャーキーの評判は良く、卸先からの注文は増え続けました。鹿肉ジャーキーの好評を受け、松川さんは徐々に商品の種類を増やしました。現在は宗田節やきびなご、猪肉、クッキーなど、約30種類の商品を販売しています。すべての商品は着色料・保存料・酸化防止剤を一切使わず、人間の食事と同じ材料を使っています。
松川さんのこだわりは、すべての商品に高知産の原材料を使うことです。鹿肉と猪肉の商品以外は県内で委託製造しているのですが、会って話をし、信頼できると思った方に製造を依頼しています。多様な商品開発を可能にしたのはコープ自然派に務めていた際に、県内各地の生産者とのつながりを持っていたことです。嬉しいことに、高知産のみの原材料を使う、というこだわりに賛同するお客様が増え、売上は徐々に伸びています。
原材料の調達が課題
高知産の原材料にこだわる中で見えてきた課題もあります。牛や豚、鶏などの家畜と違い、鹿や猪は野生の動物なので、獲れないこともあります。やはり、安定的な肉の調達に課題があることは否めません。
魚についても養殖ではなく天然ものを使用しているため、魚が獲れない時には商品が欠品になることもあります。
しかしながら、高知産の原材料を使う魅力は鮮度が良い状態で加工できることです。人間が食べる材料を使うことは犬を家族と考える松川さんにとってはごく当然のことなのです。
お客様の声から生まれた猫用フード。売上は順調に伸びている。安心なフードを求める思いは愛犬家と同じ。
いつかは主食となるドッグフード作りを
松川さんには夢があります。高知産の新鮮な原材料を使った安心・安全の主食となるドッグフード&キャットフード作りです。栄養素を壊さない加工の仕方や天然由来の酸化防止剤の使い方など、食品加工の知識を身に付けるために、今年土佐FBCに通っています。加工場、お店、愛犬と一緒に過ごせるカフェを一ケ所に作りたい…松川さんの夢は広がります。
元気な愛犬と長く人生を共にしたい、このような願いを叶えてくれるドックフードが間もなく高知から誕生するかもしれません。