院長の藤戸さんは学生時代にギックリ腰を患い、わずか数分で整体師に腰を治してもらったことがきっかけでこの道を志しました。八木さんも、首が回らなくなるほどの大けがを負ったときに、整体院に通って、無事回復することが出来た経験があります。

そんな二人は大阪の専門学校で出会いました。卒業後しばらくは別々の場所で働いていましたが、藤戸さんの提案により、共同で事業を立ち上げることにしました。二人が働いていた大阪は同業者で飽和状態の激戦区。家賃や設備コストなど高いリスクを背負って他店とお客様を奪い合うくらいなら、新天地でのチャレンジに賭けたい。二人が白羽の矢をあてた始まりの場所、それが高知でした。　藤戸さんの祖母が高知県出身で馴染みがあり、高知が好きだったこと、高知県は、人口に占める整体院数の割合が全国的に低いことなどを総合的に判断して決めました。二人がまだ独身で身軽だったことも決心する後押しとなりました。また、創業前に商工会議所で、創業計画書の策定支援を受け、方針や目標が定まったことも気持ちの支えとなりました。

同院の特徴は、初回の問診時にじっくりと時間をかけることです。一般の整体院では、骨格にずれがある部分や痛みのある部分を整体師が探りながら治療しますが、同院では、まず、骨のゆがみ具合をチェックする姿勢分析を行います。お客様が骨格のずれを視認できるように、身体の後ろと側面の写真を撮影し( 図１参照)、ゆがみ方やゆがみの程度によって治療プランを決めます。特に重要視しているのは、施術期間を決めて、ちゃんと自分の症状から卒業できるようにすることです。お客様にゴールを伝えることで、納得して治療を受けていただけるようにしています。

女性の骨盤は妊娠直後からホルモンの作用によって、少しずつ緩み始めます。産後１年ほどで骨盤はもとに戻りますが、ゆがんだまま戻ってしまう場合も多々あり、この時のゆがみが、血流の悪さや冷え、更年期の不調の原因となります。　お客様の中で最も多いのは産後の骨盤ケアのために来院する30代～40代の女性です。同院では、産後のお母さんのために、専用のキッズルームを設け、子供を寝かせたり、遊ばせている間に気兼ねなく治療を受けられる環境を整えています。余談になりますが、産後あまり経たずに骨盤ケアを始めるのが最も効果的だそうです。

同院では骨盤矯正の他に、猫背矯正やムチウチ治療などにも力を入れています。藤戸さんも八木さんも、健康な身体作りはまず骨のずれを正すことが基本だと考えています。自分が猫背だと思って、いくら背筋を伸ばしても身体が正しい骨の位置を覚えていない限り治りませんし、不調も改善されません。院名を整体院とせずに、姿勢矯正院としているのはこのような想いからです。施術を受けた方々からは「治療をするたびに身体が楽になる」「徐々に肩が動き始めて嬉しい」など喜びの声が多く寄せられています。「たくさんの方に正しい姿勢を手に入れることの大切さを分かってもらい、痛みのない健やかな生活を送っていただきたいです」そう語る藤戸さんと八木さんの明るい表情が印象的でした。